久留島武彦, アヤ井 アキコ

春の日に、おおかみと出会ってしまったひつじのおやこ。 身を守るため、「いまはおいしくありませんよ。・・・あきにはふとっているでしょう」と言ってしまい、 「ならば、あきにはたべてもよいというのだな」と出来ない約束をしてしまう。 秋が迫り、ひつじのおやこが困るなか、遊び仲間のうさぎが、おやこの為に知恵を出す。 豪奢に着飾り、動物の皮をくくり付け、月宮殿の使いに扮するひつじたち。 おおかみに出会ったうさぎは言う。 「おおかみのかわがたらぬ。すぐ、そのかわをぬいでさし出せ」。 おおかみはほうほうの体で逃げ出していった。 おおかみが去ったあと、うさぎは言った。 「あとでこまるようなやくそくは、けっしてしてはいけませんよ」と。